HoloLens小説
朝起きてホロレンズをかけた。
AR(ポケモンGOみたいな)を観れる装置で、ひと昔はロボコップみたいなデザインでカッコ良かったけど、今は細縁の薄いメガネに進化していて、しょうゆ顔の私にはそれなりに・・・
トイレに座って漫画を読んだら、‘バラの花がふくらむ’妻の栞が挟んである。数ページ追い越してTap and Hold、私の栞(ケンシロウが拳を繰り出すAR)をはさんどいた。
冷蔵庫を開けるとメモがたくさん浮いてる。
「晩はコレをチン」とか
「卵と牛乳を買っておくように」
「No Moreハーゲンダッツ泥棒!」など
居間の中空には
「ビン缶の日」
「タマジロウ(猫)のエサ」
部屋の片隅にdelete忘れてる
「そういえば昨日誕生日だったね」
「話しかけないで」
など
私が玄関を出る時に
新婚の頃の妻の面影が手を振っている。