小説をば
「coffee world」
珈琲はおそろしい。
人とつながる半面、人と傷つけ合う。
市街の珈琲店に入った。
黒で統一された店内に、まばゆい西日が差し込んでいる。
カウンターの向こう、ホログラムが立ち浮かぶ。
「May I help you?」
ブレンドと応える。
テーブルに白いコーヒーカップが降りてくる。
底からコポコポ黒い液体が湧いてくる。
あたりが湯気で白く霞む。
カップに手をかけると友人たちの幻影が現れ、風景のようにスライドする。
一人をタップして選んで、いつものようにおしゃべりをする。
そのうち、付き合っていた女性からノックがあった。
ささいなことが原因で、互いに反目しあっていた。
「あなたと争う気はないの。ただ楽しい話をしたくて」
白々した会話が続いた。この珈琲を飲み干してしまおう。
そう思った時、背中を冷たいものと熱いものが同時に走る。
床に倒れた僕を、真っ白いシャツの彼女が見下ろしている。
「油断したわね。二度と珈琲を飲むことはできない」
天国に珈琲店はきっとある。
白いものに囲まれたお店だろう。
うつろう視界、テーブルの縁から落ちてくる珈琲のしずくを待ち受ける。
珈琲は素敵だ。
人と向き合い、時を分かち合う。
本と周辺のハナシ
今日は休みだったので公民館のヨガへ行って、その帰り久しぶりに図書館に寄りました。
入口の前に、こんな本面白いですよ〜というコーナーがあって、ここから数冊借りました。
自分が取ってしまって良いのかな〜と、棚の空いてしまった部分に若干の罪悪感を覚えます。
ここさいきん“未読スルー”あるいは“積ん読”の常連ですが、借りるあるいは買うという行為の快感を捨てられません。
本を夢中になって読むという快感を思い出すこともあるのですが、どうしても本を読まなければならない理由もないので、けっきょく全然関係ないことをして夜を過ごしてしまいます。
⚫︎東京の渋谷に「森の図書館」というのがあると知りました。主に夜にあいている図書館で、仕事帰りの方がコーヒーやお酒を読んだりして、ゆっくりできるそうです。行ってみたくあります。
⚫︎先日、岩井俊二さんの「Love Letter」という映画を久しぶりに見ました。
主人公の高校時代に、嫌いだけどなぜか気になるアイツ(漢字もいっしょで同姓同名)が誰も読んでいない本を借りて、まっさらな図書カードに名前を書いていくという遊びをしていました。
実は主人公の名前を書き続けていたのではないか…ラブレターだったのではないか…みたいな!うわー‼︎
⚫︎こないだ高屋町のカフェこかげで、リブライズというシステムで本を借りました。簡単に本のバーコードを作って、Facebook等と連動して借りた人を登録できるネット上のサービスらしいです。
こかげには色んな人が持ち寄った本が置いてあって、なかなか面白いです。自分だったら何を置こうかと考えるのも楽しい♩
⚫︎高松にある喫茶 半空では“本の仲人”というのを始めたそうです。
書き出しの一行だけを紹介して、惹かれるものを読んでもらうそうです。
確かに出だしの文って、一番印象深いかも。
図書館で借りた本は机の上にのったまま、アメトークの動画を「読書芸人」の回を見ています。
続いて、本棚作ってみたいな〜という妄想が始まり「本棚 デザイン」で調べてたりしました。
そんな日常。。。